普通じゃないからこそ、社会を激変させたお話
普通なことしかない世の中だったら、びっくりするような変化はおきない。
あなたがいたから、こんな変化がおきた、と。
映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」で最後に主人公の恋人だった女性が主人公のチューリングに言う言葉。
2015年3月に公開された映画で、第二次世界大戦下の英国で、ドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読した天才数学者チューリングのお話。
暗号解読に使われた知能マシン(彼は「クリストファー」と呼んでいる)は、コンピューターの原型となるものとなり、人工知能につながるのです。
チューリングは、同性愛者で、当時、同性愛が法律で禁じられていた英国において、彼は苦しみ、自殺をしてしまうのです。
英国で長い間秘密にされてきたが、今になって彼の偉業をたたえるようになり、映画ができるに至ったとのこと。
世の中にコンピューターを生み出した彼の伝記的な作品でもあるけれど、同性愛という彼の思考や、行動など、私たちにインクルージョンを教えてくれるものでもあります。
映画の中で、研究仲間たちがチューリングをランチに誘う場面があります。
「俺たちランチにいくけど」と仲間たちは何度も彼を誘うけれど、何も答えません。
「もういいよ」と行ってしまうのですが、彼には、誘われているという認識がないのです。
私たちが普通に使う言葉。
そこに含みがあるのですが、それに気づかない個性もあるということ。
彼ほどの天才的な才能を持っている人が、そんなことわからないのか?と思ってしまいがちですが、そここそが「違い」なのです。
私が意識しているのは「興味を持つこと」。
「え?理解できないけど、、」と思うことからはじまり、「なんでそういう反応なんだろう」と立ち止まって自分に問うこと。
ちゃんと話したり、聴いたりすれば、分かり合えることがあります。
京都 寂光院
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