やりたいこと


柚木麻子の小説「Butter」。

男性の財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井美奈子という女性の話。

実際の事件でも何度か聞いたことある。

相手の気持ちをもてあそんで楽しむくらいのことはしても、殺害までしないよね、でも彼女の貪欲に自分のやりたいことを押し通すその強さに魅かれるんだよね・・何なの?という気持で読んだ。


自分にはない。ううん、なかった。その強さが。

それをこれからの人生で叶える、と決めて以来、ずっと自分に問ている。


これまでの人生は、子供の時に厳しい父親に植え付けられた価値観をベースに生きてきた。

学生時代も仕事を始めてからも、ずっとどこかで父親に褒められたいと思って「いい子」をやってきた。

仕事でも、部下として、上司として、管理職として、社員として、女性として、「いい子」をベースにやってきた。

それが、成長するにつれて、だんだん「これは違う」と思い始めて、環境をガラリと変えてしまった今に至る。

そこからずっと、ずっと自分に聞いている。


そもそも、私ってっどんな人なんだろう、と周りに聞いてみた。

そこには、これまで演じていた自分がいたけど、本当の自分もいるように思う。

そんな風に見えているのー?と拒否反応をすることも。

嫌な自分、嫌いな自分もいる。

でも、その概念も、自分が決めつけてかかっていることのような気がする。

私の今は、これまでの人生で、こうあるべき、こうすべきという固定概念にガチガチに固められているんだ。

これは根深い。


自分のやりたいことって?

既成概念が邪魔して、無意識の中に埋め込まれていて、魂の声を聞くのは意外と難しい・・・・本当にやりたいことすら分かりにくい。


今やりたいと思っていることは、もっと「言いたいことを言う」「他人に頼る」「甘える」こと。

これまでの自分があきらかにできなかったこと、下手だったこと。

嫌だと思う自分、恥ずかしいと思う自分も自分。愛おしく思おう。

基本的な「世話好き」な心の欲求も、絶対叶えたいこと。

まだまだ出会いたい人がいる。

自分が理想とする人とはまだ出会ってないかもしれない。


小説に話を戻すと。

決して美人ではないが、男性を翻弄する梶井美奈子は、すごく自分を慈しんでいる。丁寧に。安定的に。

結果、男性が彼女の魅力にはまっていく。

これこそ本物かも。

彼女の食べることへの執着とその楽しみ方が半端ない。これ魅力。

その象徴がバター。

健康食、ダイエット時代に女性が敬遠する「バター」。


そうよね。

人生、こうでなくちゃ。

梶井美奈子に魅かれていくジャーナリストの主人公の女性も、私と同じような気持ちで梶井美奈子に近づく。

ガチガチな価値観に縛られている主人公が、梶井美奈子と話すようになって、少しづつ解き放たれていく。

面白い小説でした。


読み終わったあとに、エシレバターをパンにたっぷり乗せて食べた私でした。

やはり、美味しい。



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